自殺願望拒否

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コンビニの帰り道。 会話文のみ。 「……なぁ、雪端。あのさ」 「またあのさ? なによ」 「好きだって言ったら、何か変わる?」 「! そりゃ、変わるでしょうよ」 「どんな風に?」 「せ、っしかた、とか?」 「ふーん。どうなるの? 避ける?」 「避けはしないと思うけど……」 「じゃあいい。さっきの忘れて。俺もちょっと疲れてたみたい」 「え、七日も死ぬの?」 「死なねーよ。早く家帰って寝たい」 「あ、そう……」 「……卑怯な言い方したな」 「え、なにが?」 「もういいや。雪端、好きだよ。雪端が死んだら俺泣く」 「は……え、ええ!? 嘘、マジで!?」 「マジだよ。つか気付け鈍感野郎」 「えー……んなこと言われたって」 「まあいいよ。で? 避けるならどーぞ」 「え? あ、いや、避けないって言ったじゃん俺」 「じゃあ接し方変えとけ」 「あー……いや、いい。変えない。そのかわり付き合ってください」 「はぁ!? お前、なに言って……って、馬鹿じゃねえの」 「馬鹿って……酷い、な。仕方ないでしょ、かってに、出てくるんだから」 「俺が泣かしたみたいだろ」 「現に、そうだよ。告白が嬉しくて。嬉し泣き」
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