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「じゃあ、僕はもう行かないと」
「ああ、……気をつけて」
「なにに」
「知らない」
三河はふーん、とどうでもよさそうに言って階段を降りていった。
補足すると、ここは屋上へ続く階段だ。ちなみに屋上は鍵がかかっていて入れないし、ついでにいうならここも立ち入り禁止だ。
そこで俺たちは昼飯を食う。埃っぽいけど人が来ないいい場所だ。
できることなら、三河とはずっといい友達でいたい。この衝動が、感情が、それを壊してしまうとわかるから。それが、少し怖い。
願わくば、この感情は胸の奥底に、平凡かつ平和な毎日を送りたい。それが叶わないと知っているから、尚更に――。
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