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俺は無意識に、三河の唇に自分の唇を重ねていた。
三河がなにか言いたげに俺に向ける視線を受け止めて、俺は唇を離した。
首を絞めたときもキスしたときも、三河は一切抵抗しなかった。あの涙だって、息が苦しくて出た涙だろう。悲しくて出たわけじゃない。
……ああ、ますます自分の気持ちがわからない。
殺したいのか、好きなのか。
もしくは、殺したいほど好きなのか。
まるでわからない。ふと三河を見ると、目を閉じて静かに眠っていた。
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