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『微少メランコリック』
無神経、デリカシーがない。よくそう言われる。
例えばいま、お洒落な女性とデートしてる間も僕がシナプスについて考えているのをそう言われた。
別に真剣に考えていたわけじゃない。ただちょっと気になっただけだ。
僕の名前は相模真言(サガミマコト)。嘘が大嫌いな両親がつけた名前だ。真実しか言わないようにと。
マコトの漢字はもっとメジャーなのもあるけど読めなくはない。だから中学二年生の時マイウと読まれたのには少し驚いた。
僕をマイウと呼んだやつ、そいつは男だ。遺伝子のせいか嘘が嫌いな僕に嘘を吐かない。
名前は忘れた。いつも君としか呼ばないから。でも会う度自己紹介してくるやつだから僕が今わざわざ思い出す必要はない。
中学二年の時同じクラスになって以来、僕らは多分友達という関係だ。
ちなみにさっきまでデートしていた女性は不機嫌そうに帰っていった。だから僕はメールでそいつを呼び出している。
「マコトー」
ああ、来た。折角の休みなのにこんなに速いなんて、暇人なんだな。
「よう暇人」
「暇人って言うな」
すぐに訂正されたが僕はこいつが休みの日に予定がないのを知っている。
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