吸血

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『そんなの大差ない』 ――嗚呼、血が、足りない。 吸血鬼的な意味じゃなく、単純に貧血的な意味で。 もうだめだ、視界がぐらぐらする。倒れそう、ってかもう倒れてる? 「……大丈夫か?」 誰? 精一杯目を開くと見知らぬ男の子が俺を見下ろしていた。細くてさらさらした茶色い髪が揺れる。 意識を失う寸前、その子の目が金色に光った気がした。 *
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