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「そんなことより、寅丸!」
未子は手に息を吐くのを止め、こちらを見つめてくる。
……黙っていれば可愛い奴なんだがな。
「ちょ、なに見てんのよ寅丸おいこら。私がいくら可愛いからって見んなよおいこら」
「俺、前言撤回するわ」
俺はおでんの汁を飲み干し、息を大きく吐いた。
「でさでさ! 寅丸って、サンタって信じる?」
何を言ってんだか。立ち去ろうとする俺を、未子は真剣な表情で後を追って来る。
「信じる訳無いだろ。中学二年生だぞ、俺達」
「うっわ、無いわー。私そういうの無いわー。どうせ寅丸は、そういう……あの……無いわー」
「意見纏まってないなら口にするなよ」
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