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ありさちゃんは事故死ということになった。
だけど、ありさちゃんは僕が死なせたようなもの……
そう思うと泣きたくなるが、涙は枯れてもう涙を流すことも出来ない。
ありさちゃんの笑顔の幻覚がうかぶたびに僕は罪の意識に駆られる……
「ごめん…………」
―――――――――――――
あれから十年近く経った。
心にぽっかりと開いた穴は塞がらず、今でも痛む。
「おい! 公平? 何ぼんやりしてるんだよ!」
「っ!? あ、ああ……ごめん」
昔の事を思い出していると、隼人が俺の顔の前で手を振りながら声をかける。
『こうたろう!!』
ありさちゃん……
もしも、俺がありさちゃんにもう一度会うことが、話すことが出来るのなら……
君にに二つの事を話したいんだ……
『遊んでくれてありがとう……酷い事を言ってごめんなさい』
と……
伝えられないのは分かるけど……
ありさちゃんともう一度会いたい……
「ほら、授業始まるぞ!」
「そうだな、急ごう!」
それが俺の一生の願いです。
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