太陽と月

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「痛い!!! なに、この変な棒は!!」 ……は? 変な棒? ……電信柱に決まってるだろ! 俺はうずくまっている春菜の元へとへと走り、隣へしゃがみ込むとそんな声が聞こえた。 「どうしたんだ!? 春菜!」 「ちょっと、何言ってんの? 私は『春香』だってば!!」 春菜(春菜じゃないと言い張ってる)はよっぽど痛かったのか、涙を目に貯めて頭を抑えながら睨んできた。 怖い…… というか、…………春香? 春菜ってば、自分の名前を間違えてるー!! 「なっ何言ってんだよ? お前、『春菜』だろ?」 「違うってー!! 『今は』春香なの!!」 春菜は自分が『春香』という名前だと指を自分に指して言い張る。 俺は混乱していた。 おかしい、おかしい、おかしい、おかしすぎる!! そうさ、頭をうって変なこと言っているに違いない!! だって、顔からして絶対春菜なんだし!! 病院とか連れていった方がいいのか? それとも、春菜の母さんに連絡? いや、学校? いや、消防車かー!? 俺はパニックになって、正常に思考することが出来なくなってしまったんだ……
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