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「塩飴って、塩と砂糖だよな。」
達筆な文字のパッケージを手にしながら青いワイシャツの男“鷹巣”は言った。
「…詳しく言えば、塩化ナトリウムNaClとぶどう糖_」
「あ~、はいはい分かったよ」
白衣の男“目間”が理科的な説明をするのを煩そうに遮りまた達筆な文字に目を落とす鷹巣。
「…はあ」
ため息と共にうなだれる。
「珍しいな」
かちゃかちゃと翌日の実験の準備の手を止めず呟く目間。
「あ?何が?」
下げていた頭を上げ目間に問う。
「お前がため息なんて、珍しいじゃないか。」
「おめー。失礼じゃね?俺だって悩み事くらいあるわっ!」
くすくすという笑い声と足をばたつかせる音が響いた。
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