塩飴

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 「校内禁煙です目間せーんせーい」 「るっせーぃ。生物室内での飲食もご遠慮くださーい。鷹巣せんせーえ。」 「へいへい……」 「……」 「………」 「……」  暫くの時間。白濁の蛇が二人の間を飛んだ後、目間が水道に吸い殻を投げ入れた。  「………………………………あのなぁ…二つの生命体が一つになるってのは科学的見解からしても一般常識からしても無理だ。文学的な『身体が一つになる』っつーのは性行為だろ?じゃなくてお前が言いたいのは原子の一致だ。お前とその恋人の身体・精神・時間軸の共有…理解できるか?」 「む、無理………」 「………まあ良いさ。期待はしてない。」  ひどッ!! 鷹巣は心の中で落胆したが声には出さなかった。  「でもな、そんな堅苦しい話でもないとも思うんだ。人間の場合は。」 「うん……?」 「言葉っていう意思の伝え方があるしな。今なら遠くにいてもメールがあるだろ。会えない不安はそれでどうにかなると思うし……………って聞いてるかお前?」 「…………え、あ、お、おう!」 はっとしたように応える。 「はあ…」 その様子を見てため息を漏らす目間。 「…悪ぃ……変な事言ったな。忘れてくれ」 「おっ、おお?ちょ、待てよ」 疲れたような笑いの目間の手を瞬時に握った。 「………?」 「あ、ありがとう!なんつうか……言ってる意味はわかんなかったけどっ。お前が励ましてくれるの珍しくて、なんか勇気出た!!」
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