私はあいつが大嫌いだけど殺人というものを黙認するわけもなくて

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 朝、最近はコートがなくても外出できるくらいには温度が上昇してきたけど朝はやはりまだ寒い。 そんな空気の中登校している人の集団に、あいつを見つけた。 (晶…………) 同じクラスの隣の席の三浦 晶(ミウラ ショウ)。ついでに言えば家も隣、幼稚園の時から高校の今に至るまでの学校もクラスも一緒。  腐れ縁とは私達のことなんだろう。  彼の方を低血圧のせいでぼんやりする頭で見る。  髪や瞳が茶色がかっていてかっこいいっていうよりかわいい。身長は高2男子の超平均的身長。友達は私と違って多い方。明るくて、冗談も上手くて… 「あ、袴乃花!おはよう」 「…おはよ!」 人間観察じみた思考を温かな声に遮られた。なので私も笑顔で返事をする。  どこにいても、誰といても私を見つければ声をかけて、誰にでも好かれる_____。 人に好かれるのが上手いあいつが、私は気付けば嫌いだった。
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