私はあいつが大嫌いだけど殺人というものを黙認するわけもなくて

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 事の発端は母さんとの会話。 「今日、晶君家で一人なのよー」 「なんで?」 「お父さんとお母さんが法事なんだってー」 「へー」  そして私の予想通り夕飯のおかずを持たされ、隣人の家のインターホンを押した。 「ちくしょ…なんで私が…」  ピンポーン  ピンポーン (あれ………?) 返事がないのを不思議に思ったし、幼なじみだしと軽い気持ちで黒いドアを開けた。  「晶………?」 玄関先でタッパを持って立ち尽くす。 (あれ、この靴) 佐伯の青のスニーカーが目にとまった。 (あいつらもしかしてイチャついてんのか) そういうお年頃の私はそんな不埒な考えが浮かんだ。 「……………」 (ん?)
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