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こんな下らない内容でからかわれて、僕は一気に冷めてしまっていた。
「だから嘘じゃないってば!!」
声のボリュームが上がり、お姉ちゃんは少しムキになっているようだ。
「とにかく私はこれから別の世界へ行くの!!」
「だって、こんな狭くてつまらない島で一生過ごすなんて考えただけでゾっとするもん!!」
「ふーん」
なんかもうどうでもよくなって返した言葉だった。
今住んでる島はつまらない、それは僕もいつも感じている事だ。でも、そもそも別の世界行くだとか意味分からないし…。
「お姉ちゃんは先に行くけどシンはまだ9才だからお留守番ね!」
またこの人は…、と改めて呆れているとお姉ちゃんはおもむろに祀られている円盤状の石に近づいた。
手を伸ばせばさわれるくらいまで石に近づいたところでお姉ちゃんはこちらに振り向いた。
「シン…。いつか私を迎えにきてね。」
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