1.異常

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さて、目の前の彼女だが……なんと言えばいいのだろうか。 まず身長は150前後だと思う。 髪の色は緑色で、ショートヘアで右の前髪だけやや長い。 偉そうな感じの帽子に罪……か? そんな模様が書かれた板っきれを持ってる。 身長とかも特徴的だが、一番気になった場所は…… 「……め。」 「め?」 「……目でも痛めましたか?」 目が、怖いです。 なんつーか、ツンツンデレツンツンツンデレツンツンツン死ねみたいな。 ごめん嘘。 でも目が突き刺さるような鋭さだな…… マジで怖い。 魔眼とか持ってんじゃねぇのか? にしても誤解を与えたままはよくないぞ、修也。 「あ、いや何でもないです。 痛めたりはしてませんので。」 「そうですか。」 うわ、笑わねぇ。 俺の渾身の『にははって言ってそうな笑顔』を見ても眉一つ動かないなんて、虫の居所でも悪いのか? ……ごめん、今のなしで。 ただの痛い奴にはなりたくない…… さて、流れを戻そう。 「ところで、さっき言ってたのは?」 「幻想郷での決闘方法の事ですか?」 相変わらず鋭い視線を送る彼女。 そして少しおどおどしてる小町さん。 まるで上司にサボってるのがバレた部下みたいな感じだな。 「はい。 何か特別なルールでも?」 「えぇ。 ……小町。」 「はっ、はい!!」 ……この2人って、もしかしてマジで上司と部下なのか? なんとなく小町さんらしくないなー。 「えっと、それじゃ幻想郷での決闘方法の説明をするけどいいかい?」 小町さん切り替え早いな!! さっきの発言訂正します、ごめんなさい。 「あ、あぁ。 よろしく頼む。」 ……逆にどもる俺って何なんだろうね。
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