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「きゃん!?」
すると彼女は当然のように飛び起きる。
ちなみにコレの効能は既に何度か自分で体験しているので、成功率はかなり高い。
布団から出てこない兄弟などがいる方は一度やってみてはいかがだろうか。
「すいません四季様、仕事をサボってた訳ではなく……
って、あれ?」
まぁ、それで飛び起きた(ほぼ強引に俺が起こした)彼女は上司辺りが起こしに来たものと勘違いしたのか、謝り始める。
が当然上司などはいない。
ここにいるのは彼女と俺の2人だけである。
なので彼女からしたら当然見知らぬ俺に目が行くわけで。
「えっと……
あたいを起こしたのはあんたかい?」
当たり前の疑問が最初にぶつけられた。
そして俺は満面の笑みで
「あぁ。
いきなり仕事中に爆睡してるのを起こして悪かったな♪」
と物凄く楽しそうに返してやった。
「う……」
どことなく申し訳なさそうになる彼女。
こいつはからかいがいがあるキャラをしてるな。
友達になったら楽しそうだ。
「そ、それよりも。
生きてる人間があたいに何か用事でもあるのかい?」
「あぁ、それなんだが……
って、待て。」
今なんて言った?
生きてる人間?
生きてない人間が来るのか、ここは。
彼女は特に変わった様子もなく、何故俺が止めたかを少し不思議がっている。
「どうしたのさ?」
挙げ句の果てには聞き返されてしまった。
……いや、今はいい。
とりあえずは状況整理だ。
「いや……
生きてる人間って、どういう意味だ?
死んでる人間でも現れるのか、ここは。」
すると、間髪入れずに彼女はこう答える。
「当たり前じゃないか。
ここは再思の道。
あんた達人間からしたら、三途の川ってのが馴染み深いのかい?」
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