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「幻想郷であることを信じさせろ……ってことかい?」
俺は聞き返してきた彼女に対して無言で頷く。
彼女の言葉には恐らく嘘偽りはない。
話してて嘘とかはつかない性格だというのも『信じられる』。
だが、まだ幻想郷というのは『理解出来る』だけだ。
どちらかといえば理数系の俺としては、やはり確実に信じられるモノや事がほしいって考えだ。
「幻想郷であることを信じさせろ、かぁ……
外の世界との決定的な違いってことだろ?
あったかなぁ……」
彼女は腕を組み色々と思案しているようだ。
ちなみに俺はひねくれているので目の前の彼女がぼうきに跨って空を飛んだり、何もない空間に裂け目を作ったりしても多分難癖をつける。
ドッキリならそろそろバラすべき時間だ……!!
と、内心楽しみにしていて少し微笑んでいたら
「幻想郷での決闘方法を教えたらどうですか、小町。」
……後ろから声がした。
しかも、結構凛とした感じの声。
同時に微妙にビクッとする目の前の彼女。
というかこんな状況下で彼女の名前を初めて知る俺。
小町って名前か……
まんま江戸っ子っぽいな。
「四季様!?
い、いつからそこにいたのですか……?」
苦笑いを浮かべながら俺……ではなく、俺の後ろにいる人物に話しかけている。
にしても、どんな奴だ?
そう思って後ろを振り返るとそこには
「彼が外来人だと分かった時辺りからです。
もっとも、その少し前の光景は見させてもらいましたが。」
……厨ニ病かんじぎっ!?!?
「っ~~~~!!!!!!!!」
「だっ、大丈夫かい!?」
「……不運ですね。
それとも、然るべき罰なのでしょうか。」
今なんで木の枝が頭に直撃したんだ!?
タイミング悪すぎだろ、説明させろよ木の枝!!
「はは……
一応大丈夫っす。」
後頭部をさすりながら目の前の彼女に会釈を軽くする。
……とりあえず説明は次ページで。
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