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『亜美奈って調子乗ってるよね』
『なにが歌姫よ。ちょっと上手いだけじゃない』
『どうせ腹の中は真っ黒なのよ』
仲間だと思っていた人は、陰でわたしを妬んでいた。
歌が好きだから、歌うの。
そう思う気持ちは誰だって一緒じゃないの?
本当はみんなは仲間だなんて思ってなかった。
もちろん、そんな私の周りからは友達が離れていった。
両親は私が生まれてすぐ別居。
母親は私を仕方なく引き取った。
母親は父親似の私が嫌いだ。
当然、母親からは見放され、最近は私の存在すら否定する。
恋人に子持ちだと知られなくないのだろう。
『今日は家に帰ってくるな』
そうメールを送ってくるときがあるんだ。
私はいらない存在。
価値なんてないの。
人を信用するほど、深入りするほど、馬鹿馬鹿しい。
私は人間という生き物を嫌った。
自分の好きなものも、信頼するひとも、頼れるひとも全て失った。
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