カクシゴトの鍵

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「……は?」 言ってる意味がわからない。 「今朝、来たんだわ。職員室に。  準備室の鍵、貸してくれって。  そんなこと滅多にあることじゃないし、朝のことだったし…    いやー、すっかり忘れてた。  いやー、あいつかー。」 「…ばっ…」 …っかじゃないの?! 開いた口がふさがらない…って本当にあるんだな…。 この人、本当に教師向いてないかも…。 わたしは目眩を覚え、額を手で抑える。 「教室の鍵、生徒に貸しっぱなしって… それだけでもヤバいんじゃ…。」 「そーだなー。  バレたらまた徳ジイの説教だなー。うわー。」 「うわー、じゃないわよ!  結局、先生がまいた種なんじゃない!  どうすんのよー!」 わたしは、ジタバタと両手で先生の胸を叩く。 先生は、両腕でわたしを囲んだまま、ごまかすように天井を仰ぎ見ている。 もう、あほらしさに涙もでない。 「ほんっと!ばか!!」
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