角の向こうは別世界

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龍治は食卓へと腰を下ろす。 椅子に座り、目の前にあるのは、ご飯、みそ汁、そしてダークマター…またの名を焦げた卵焼きである。 龍治はただひたすらみそ汁とご飯を食べつづけた。 「ねぇ、卵焼きも食べてよぉ」 前に座る緋璃が龍治の卵焼きを突きながら言う。 龍治は無視して黙々とみそ汁を啜る。 「ねぇってば!た・ま・ご・や・き!」 「あ、目覚めのテレビやってる」 龍治は緋璃を無視してテレビをつける。 『おはようございます!目覚めのテレビです!』 テレビから女子アナの明るい挨拶が聞こえる。そしてしばらく雑談が入り、よくあるキャスターのニュースを読む画面に変わった。 『では、先程入って来たニュースからお伝えします。昨夜深夜2時頃、北海道で謎の火柱が立つという奇っ怪な事件が起こりました』 「へぇ、物騒だぁ」 龍治は呟いてご飯を口に運ぶ。 「さてと、そろそろ行くか」 「ねぇ龍治!卵焼き…」 「行ってきまーす」 龍治は信じられない速さで支度を済ませて緋璃が言う前に家を飛び出した。 「もぉ!龍治ぃ!」 家には緋璃の怒声だけが虚しく響いた。
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