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次の日、彼らは呼び込み会をしていた。
「勇者求ム会」
と書かれた看板を片手にハッピを着たゼイスは勘で強い人物を見つけてはゲール討伐と同盟軍協力を促していた。
一番最初は魔族の剣士。ゼイスのお気に入りだった。
「断る!!」
その言葉で一蹴!!
次に埴輪(?)を発見。癒しになるし動きから凄腕だとゼイスは言って勧誘開始。だが言葉の会話が成り立たず不一致。以外にもゼイスにはなんとなく「はにゃ~」という言葉を訳せているっぽかったが埴輪は理解していないようだった為だ。
次に黒髪のクールな男性。声掛けるも、無言で去って行った。
「かなり強力な魔法の使い手なんだがな…」
実際勘で動いているが、ゼイスの凄いところは見ただけで相手の能力を推し量る分析能力にある。
蒼龍はいつもそれに関心していた。
しかしそんな能力は役に立たず、ほとんどが拒否の反応を示すだけだった。それをのどかに本片手で見ている蒼龍。アイもクリスも恥ずかしそうに呼び込みを行っているのを一人寛ぎながら本に熱中していた。実際能力を比較すれば、ゼイス一人で事足りると感じていた為だ。
その時…
ドン!
不意に後ろに衝撃が走った。
「…すまん」
それはゼイスが鍵を渡した昨日の男だった。
「あなたは確か昨日の?」
「お前はあの時の男の…仲間か?」
「うん。僕は蒼龍。」
片手を差し出した。
「…俺は柊」
少し戸惑った彼は、その手少し見つめた後にぎこちなく手を握った。
「お!?よくやった蒼龍。その手を離すなよ!」
ゼイスはにこやかにそう言うと二人に手錠をかけた
「はい、確保!」
「!?」
「た、隊長!?」
柊にゼイスは笑いながら勧誘を始めた。
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