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10時07分
「母さん仕事行くからね、ちゃんと朝ごはん食べてよ」
下の階から母親の声が聴こえる。
聴こえたけど、
別のことで頭がいっぱいだった。
「フン~~ッ、 ハッ、 フ~~ッ……」
自分の部屋で和真は息を荒くしていた。
別に自慰行為をしてる訳ではない。
腰を低くした状態で爪先立ちをする。
ケツを少し浮かし、
ドアに寄りかかる。
首とドアノブがベルトで繋がれている。
座れば首が締まる長さだ。
「ンーッ、フンッ…、 フ~~ッ」
何度か躊躇する。
怖い、
やっぱり怖い。
机には起動しているパソコン。
画面には和真への中傷的な文が幾つも、
原因は和真が自殺予告を書いたから、
ほぼ全員が、
「絶対死ねよ? 本当にやったら拍手してやんよ」
自殺を応援する文だった。
書いてる人達はどうせ嘘だと思ってる。
が、
嘘ではない。
和真は本当に自殺する気だった。
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