Aー001 異常者の呟き

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一瞬、 時が止まったかのように静かになった。 何がキモいだよ!? どこがキモいだよ!? 言ってみろよ!? そう言ってやりたかった。 そんな声は出ない。 出るのは荒い鼻息だけ……。 「ハァ……ハァ……」 和真はそのまま階段で下に降りていく。 うわ…いきなりなんだよ? マジでキモいンだけど キモ キモい キッしょ 人の心の声、 和真にはそれらの声が聞こえていた。 生まれつき、人の心の声が聞こえてしまう異常な体質だった。 だから、人の本心が聞こえてしまう。 その人が悪い人間なのか、 なにを考えているのか、 そんな人を選別するようなやり方に和真は疲れた。 人と接することを止めた。 自分が人間だとは思えなくなっていた。
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