~prologue~

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とりあえず大本の目的である高校への道を歩く。 多くの生徒が歩いている。 端を歩いていた黒髪の彼がコートを着た女の子にぶつかって、お互いに尻餅をつく。 彼はぶつかってしまった彼女に謝る。 彼女は落ちた鞄を拾うと、無表情の顔で彼の顔を2秒ほど凝視する。 スッと目を一瞬細めた後、何もなかったようにそのまま振り返り歩いて行ってしまう。 彼が前を向くと彼を待っている茶髪の男の子と女の子の二人がいる。 茶髪の男の子の方が 「おい、大人なお姉さんに恋しちゃったか~?」 と明らかな冷やかしを黒髪の彼に送る。 彼は動揺し、声が震える。 「ち、違えよ。 何言ってんだ、お前」 言った後、彼らが待っている所まで走り出す。 「動揺してるのが丸わかりだぞ。なっ」 「別にどうでもいい」 と答える。しかし彼女の顔は茹蛸(ゆでだこ)のように真っ赤である。 彼がやっと追いつく。 まだ何か言おうとする男に近寄り耳元で 「それ以上言うんだったらお前が(隣をあごで指し)アイツのこと好きだって今大声で言うぞ」 と脅しをかける。 「だっ!?…………わかった承諾しよう」 お互いに手を出し、握手をする。 効果覿面(こうかてきめん)だったようだ。image=446119780.jpg
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