序章

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ピピピピッ ピピピピッ 静寂な部屋に携帯のアラームが響き渡る。 どうやら起床の時刻を告げているようだ。 携帯を求めガサガサと手を動す。 一向に私の手に携帯の感触が伝わらない。 しばらく探した所で、昨夜の行いを思い出した。 二度寝しないために手の届かない所に置いたんだった。 「昨日の私、なんて余計なことを…」 そう呟き、寝起きで気だるい体を起こした。 部屋に響き渡るアラームを止める。 ピッ 再び部屋には静寂が訪れた。 「ん~っ」 大きく伸びをする。 「なんだか今日は寝覚めがいいな、いいことありそう」 何を隠そう今日は私(佐藤まみ)の20歳の誕生日。 「まみーそろそろ起きなさーい。朝ご飯出来てるわよー」 そして、私の人生が大きく変わる日であった。
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