5人が本棚に入れています
本棚に追加
「すいません、道を伺いたいのですが」
いきなり声を掛けられたので、一瞬肩がビクッとする。
心臓は息が苦しくなる程大きな音で脈打っている。
実は私、人と接することが苦手。
恐る恐る後ろを振り返る。
すると、そこには顔の整った男の人が立っていた。
い…イケメンすぎる。
素早く視線を下に向けうつ向く。
「すいません、鈴蘭大学に行きたいのですが、ご存知でしょうか。」
ご存知も何も私の通っている大学だよ。
心の中で独り呟く。
「あ…あのご存知でしょうか?」
再び問いかける男の人にコクりと頷く。
「もしよろしければ案内してもらえませんか。」
「す、すいません!私急いでいるので失礼します!」
ぺこりとお辞儀をし来た道を引き返す。
そして普段通う道とは別の少し遠回りする道で学校へと向かった。
「あぁ~私ヘタレ過ぎる…
あの人無事に大学に行けるかなぁ…」
そんなことをぶつぶつ呟きながら学校へと向かった。
最初のコメントを投稿しよう!