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今日も今日はで、うんざりするほど蒸し暑い。
五人も作業すればいっぱいの工場の中で、甲高く立ち上る電動ドリルの音。ドリル刃を垂直に押し込み、貫いたら逆回転に切り替えて引き抜く。図面をもとに先にけがいておくから、作業となると機械的に、飽きて意識が飛ばないことを願いつつ、ひとつ、またひとつと押し込んでゆく。
いつからかうんざりするほどの汗が額から流れ、いわゆるドカチンスタイルのはちまき状のタオルは、今にもほどけてしたたり落ちそうだ…。
言葉にしてみるとちょっと『お仕事』しているみたいに聞こえるが、いわゆる俺のしている労働ってヤツは、大きな企業さんたちがコストダウンの名のもとに「つくる」ことは極力外に出して(アウトソーシング)、金勘定の人間以外はリストラする、利潤追求のおかげでおこぼれをいただいているワケで。
ついでに言えば、図面引きの俺が、なんだかんだで離婚して、社訓である
「家庭の平和は社会の平和!家庭なくして平和なし!」
と、一月に一回唱和させられるスローガンにそぐわない人間として、そこはかとなく左遷をくらってるワケである。(もちろん社長の不倫癖も専務に二号さんがいようと)
淡々と作業していくと、集中は途切れ、思考は彼方遠くへと…。
心もとない意識をたぐりよせ、心にあるバネみたいなものをギュっと押さえ込む。これを押さえられなくなったとき、俺はどこかへ飛んでいくのだろうか…?
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