首なしライダー

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最近生活のリズムがメチャクチャで、昼間寝て夜起きている・・・そんな毎日 そして今日も日付が変わる頃に目が覚めた 机の上に置きっぱなしのジュースを飲み干すと、スッキリしない頭のままテレビを点ける ボーっとしながら流れる情報番組を見ていた 『ピリリリッ ピリリリッ』 携帯が鳴る 友人からだ 「もしもし」 頭をかきながら電話に出る 「あ、もしもし 今暇してる?」 暇になった友人がドライブに付き合えとの誘いの電話だった 少し小腹も空き、時間もあったので軽い気持ちでOKした 数十分後、再び携帯が鳴り、友人が家の前に着いたとのこと 上着を手に取ると、部屋を出て車に乗り込んだ 「で、どうすんの?」 聞いてはみたが、特に行き先が決まってないのは分かっていた 「とりあえずコンビニへ」 とりあえずの欲求を満たす為に友人に言った 特に返事も無いまま近くのコンビニに 肉まんと飲み物を買い車に戻る 助手席で肉まんをかじっていると 「とりあえずブラブラしてみるか」 そう言いながら友人が車を出す しばらくたわいない話をしながら車で走った 少し町から離れた所で友人が 「そう言えば、この先の峠の噂・・・知ってる?」 「噂?」 「そう、首なしライダーの」 「・・・」 知らないと告げた後、嫌な予感がしていた 「暇だし、行ってみようぜ」 予感は的中した 俗に言う心霊スポット ハッキリ言うと嫌いだ そこに興味本意で行く人間の気持ちも理解出来ない 一度は断ったが、代わりに行き先を出せと言われ言葉に詰まった 「あれ?ひょっとしてビビってる?」 何も言わない自分を友人がからかう 「そういうんじゃないけど・・・」 「暇なんだし近くまで、とりあえず近くまで・・・な!」 そう言いながら、半ば強引に峠の近くまで連れてこられた ビビってる・・・ 否定はしない でもそれだけじゃない 一般的に心霊スポットと呼ばれる場所は、そう呼ばれるにはきっと訳がある 近付いて良い事があるわけ無い 頭では分かっていたが、言い出せずにここまで来てしまった 何だが背中に悪寒が走る
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