首なしライダー

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引き返そう! そう言うおうとした瞬間 「実はこの前も友達と来たんだけどさぁ、そんときも何も無くって・・・  噂になる所って、案外何も無いこと多いよなぁ」 そう言われて、言い出そうとした言葉を飲み込んでしまった いくつか峠のカーブを曲がり、山を少し上がった所で 「この先に広くなってる所があるから、そこでUターンして戻ろっか」 そう友人に切り出されホッとする ただの噂・・・ よくある怪談話・・・ 誰かが作った作り話・・・ そんな事を考えていると、目の前にトンネルが見えてきた 「このトンネル結構長いんだよ」 そう言うと友人は車をトンネルの中に進めた 「Uターンする所ってこの先なのか?」 そう言いながら友人を見ると、眉間にシワを寄せながらバックミラーを覗き込んでいた 「あれ?後ろにバイクなんていたっけ?」 言われて振り向く 確かに後ろからライトが1つ、猛スピードで近付いてくる 首なしライダー!? バイクと言う言葉に頭の中に嫌な想像がよぎる 背中と手に汗が一気に吹き出る ただの噂だよなぁ!? 声をかけようと友人の方を見たが、青ざめかけた顔を見て言葉を失った 恐る恐る再び後ろを見る もうすでに直ぐ後ろまで来ている バイクのライトがハイビームになっているのか、運転手の姿はハッキリしない 心臓がうなりをあげている 吹き出た汗が、ここに来た事への後悔を募らせる
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