0人が本棚に入れています
本棚に追加
来なきゃ良かった!
そう思った次の瞬間
エンジン音を轟かせ、猛スピードのバイクが追い越して行った
「・・・」
「・・・」
明らかに二人共、恐怖を感じていたことは確かだ
しかし追い越して行ったバイクの運転手には《首》がある
「首・・・あるなぁ」
感じた恐怖の反動からか、いたって普通の運転手を見た二人は、どちらからともなく笑い始めた
「お前ビビってただろ?」
「お前こそ顔真っ青だったぞ」
まだ心臓はバクバクいっている
「ここはカーブも多いから、峠を攻めにくるライダーもいるんだろうな」
「そうかもな」
そう言いながら前を走るバイクに目をやる
猛スピードで追い越して行った割には、車の少し前を走ったままだ
少し違和感を感じた次の瞬間!
バイクの運転手がこっちを向いた!
前を走るバイク
運転手は振り向いたわけではない
でもこちらを向いている
皮一枚でつながっているかの様に後ろの方に首がもげている
心臓が止まりそうになった
見間違えたわけじゃない
背中側にぶら下がった首が・・・逆さに向いた首が・・・こちらを見ている
「××××」
混乱したまま声にならない声を出した
どうしていいのか、どうしたらいいのかわからない
すると車のスピードが急に上がった
友人の方を見ると、口をパクパクさせながら真っ青になっている
どんどん上がるスピード
「おい!」
声をかけたが口をパクパクさせるだけ
肩を掴み揺すりながら
「おい!!」
再び声をかける
友人の目には涙が溜まっていた
直感的にヤバいと感じる
とっさにギアをニュートラルに入れサイドブレーキを引いた
『ギャギャギャー』
タイヤが凄い音をたて、車はスピンする
最初のコメントを投稿しよう!