首なしライダー

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来なきゃ良かった! そう思った次の瞬間 エンジン音を轟かせ、猛スピードのバイクが追い越して行った 「・・・」 「・・・」 明らかに二人共、恐怖を感じていたことは確かだ しかし追い越して行ったバイクの運転手には《首》がある 「首・・・あるなぁ」 感じた恐怖の反動からか、いたって普通の運転手を見た二人は、どちらからともなく笑い始めた 「お前ビビってただろ?」 「お前こそ顔真っ青だったぞ」 まだ心臓はバクバクいっている 「ここはカーブも多いから、峠を攻めにくるライダーもいるんだろうな」 「そうかもな」 そう言いながら前を走るバイクに目をやる 猛スピードで追い越して行った割には、車の少し前を走ったままだ 少し違和感を感じた次の瞬間! バイクの運転手がこっちを向いた! 前を走るバイク 運転手は振り向いたわけではない でもこちらを向いている 皮一枚でつながっているかの様に後ろの方に首がもげている 心臓が止まりそうになった 見間違えたわけじゃない 背中側にぶら下がった首が・・・逆さに向いた首が・・・こちらを見ている 「××××」 混乱したまま声にならない声を出した どうしていいのか、どうしたらいいのかわからない すると車のスピードが急に上がった 友人の方を見ると、口をパクパクさせながら真っ青になっている どんどん上がるスピード 「おい!」 声をかけたが口をパクパクさせるだけ 肩を掴み揺すりながら 「おい!!」 再び声をかける 友人の目には涙が溜まっていた 直感的にヤバいと感じる とっさにギアをニュートラルに入れサイドブレーキを引いた 『ギャギャギャー』 タイヤが凄い音をたて、車はスピンする
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