1、帰郷 ー変わらないモノー

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◇◆◇ 駅に着き、電車を降りる。駅のホームはあまり変わっていなかったが、それでも自分の知っている駅では無い気がした。 「あ、弥生。五年ぶりのお帰り」 「母さん。わざわざ迎えに来てくれたの?」 五年ぶりに帰ってきた息子に対して、冷たくお帰りを言うとは。我が母らしいと言えばらしいのだけれど、それはそれで少し悲しくなる。 「迎えには来たけど、アンタのじゃないわよ。陸に顔を見せない息子を迎えに来る程、わたしゃ優しくない」 「冷たい母だね」 「冷たいアンタの母親さね」 変なところ似たのかな。これっぽっちも嬉しくないけど。
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