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―夜―
今日は年に一回のごちそう。クリスマスが俺は大好きだった。
「斗真、サンタさんは早く寝るいい子のとこにしか来ないから、早く寝なさい。」
俺は、サンタさんの顔を見たくて、ずっと起きてることにした。
いつの間にか眠っていて、次に目が覚めたのは夜の12時。サンタさんからのプレゼントは届いていて嬉しくて俺は親に報告しにいった。
いつもは、話し声が聞こえるのに、その日のリビングがシーンとしていて。
ドアを開けるとお父さんとお母さんはナイフを持って自分の腹部に突き刺そうとしていた。
「やめて! やめてよ! パパ! ママ!!」
お母さんがこっちを振り向いた。
「ごめんね。斗真。…愛してる。」
俺はあの日以来、クリスマスが大嫌いになった。真っ白な雪は、血濡れた赤にしか見えなくなった。雪なんて嫌いだ。
次の日、お父さんの知り合いだという男に俺は引き取られた。それが今のリーダー。
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