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「あの、依頼人は誰なんですか?」
いくらなんでも俺は仲間だ。教えてくれないなんてことはないはず。
「姫倉紗羅さんだ。長女の。理由は詳しくは教えてくれなかったが10日以内に殺すこと。失敗したら雇われた殺し屋は抹殺しろとのことだ。」
姉!?実の妹を殺せって…。でも…俺に拒否権なんてないから…。
「分かりました。」
任務はちょうど10日後の12月24日に行うと決めた。
帰りがけ、コンビニでコーヒーを買って公園へ入った。ブランコに座りながらコーヒーを飲む。
「あれ、紀野くん?」
「…姫倉さん」
昨日から、なんだかこの人とは縁があるらしい。
「紀野くん、買い物?」
こうしてる間にも、命のタイムリミットは近づいているというのに、何も知らない彼女の笑顔には屈託がなかった。
「…あぁ。姫倉さんは?」
「私は、クラスの子と来週クリスマスパーティーするから、その買い物。」
「そうなんだ。じゃあ、行くね。」
「あ、雪! 初雪だよ!」
雪…。なつかしいな。そういえば、あの夜も雪が降っていたな…。
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