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電車を降りるまで
彼はオヤジの腕を離さなかった
逃げないように
オヤジも罪がわかったのか
ずっと肩をおとし
うつむいていた
私の隣には彼がいる
少したつと
私の顔を伺い
大丈夫か?
と聞いてくる
そのたび私は顔を真っ赤にした
…でも
とてつもないほど幸せだった。
電車を降り
彼は私の手を掴む
もう一つの手はオヤジを掴んでいた
はたからみたら
なんだか変な光景だ
彼が向かったのは
駅員がいるところ
オヤジのした罪をいい
謝罪をさせる
私は…もうどうでもよかった
この痴漢があったから
彼と…話すことが…
私の存在に…気づいてくれたから…。
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