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独占と言う名の優しさを(ディラマク)
例えばスクールの帰りにふたり空き地でサッカーをしたり。休日はマークの家のソファーで昼寝をしたり。ミーたちはいつも一緒だった。悪ふざけもお説教もふたりなら何だって楽しくて。他が羨む位の仲良しさ。
ミーの心の一番近くにはマークがいてマークもそうだ。きっとミーが一番だったんだ。
だけど、だけどね
何かが変わってしまった
「カズヤは本当に
いいプレーをするなぁ!」
ユニコーンの専属グラウンドの隅、大きな瞳をぱちくりと揺らして歓喜の声を上げるマーク。興奮した白い頬は上気していて。
「そうだ! 今日はカズヤも
誘って帰ろうよ」
計算かはたまた無意識か。後者を有力と取るのはあまりにもマークの瞳が清廉だから。
あどけない笑顔は既にカズヤだけを見ていてもはやそこにミーの入る隙間なんてないみたい。
不意に黒い感情が心を支配してやるせなくなる焦燥感。カズヤへの想いなんてなくなればいい、頭を掠めた加虐心は制御すべき暇もなく口をついた。
「マーク、残念だけどカズヤは
ドモンと帰るみたいだ。
あのふたりは特別に仲が良いからね」
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