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ギシリ、と軋んだベッドの上。半強制的に一之瀬に腕を引かれたマークは今、自身の部屋の天井を仰いでいる。ついで視界に零れるのは覆い被さった一之瀬の黒い髪。
「マーク…」
低い声で囁かれてマークの心臓が高く跳ねた。脇腹をなぞる一之瀬の手のひらはあまりにも優しくて快楽に久々なマークは呆気なく甘い声が漏れてしまう。
「ふぁ…ぁ…」
奪いとられた唇は貪るように吸い上げられる。角度を変えて強引に攻める一之瀬からは彼にもまた余裕のない様子を示していた。
「は…かず…ふぁ」
落とされた熱い舌がざらついた感覚を伴って歯列をなぞる。唾液を送り込まれたマークは涙を浮かべて喉を鳴らした。銀色の糸を伝って離れた先には赤らんだマークの顔がある。長い睫毛に零れ落ちるほどの涙を浮かべて半開きの赤い唇は荒い接吻後の浅い呼吸を繰り返す。なんとも扇情的なその姿に一之瀬はゴクリと息を飲んだ。
白く滑らかなマークの肌。大理石の如く清らかな輝きを放つそれをゆっくりと揉みしだけは口元からは掠れた鳴き声が漏れた。
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