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ある遠い遠い国に、一人のトナカイがいた。
生れ付き鼻の頭には少し赤い痣がある。彼はこの鼻が大嫌いだった。トナカイになんて生まれたくなかったと、いつもそう思った。
しかし赤っ鼻のトナカイと馬鹿にされたトナカイもパートナーを決める時が来た。
でも、トナカイは自らパートナーを決められない。
パートナーを決めるのはサンタだからだ。
毎年パートナーを決めるために選考会場が設けられ、トナカイは番号札を付け商品のように並ぶ。
サンタは並んだトナカイたちを見て、自分のパートナーに相応しいと思うトナカイを決める。
やり方は少し変だけど、これがここのルール。
毎年何人かのトナカイはパートナーを得られず、また来年の選考会までに自分を磨く。
パートナーを見つけるために、子どもたちにプレゼントを届けるために。
ソリを引き、広い夜空を優雅に駆けるために―――。
これはあるサンタに選ばれた赤っ鼻トナカイのお話。
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