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    昔っからこいつは弱い僕を守ってくれていた。そのせいで律も一緒になっていじめられた時もあった。   僕一人が傷つくのなんか構わなかった。   なのに律にまで被害が及ぶのが許せなくて、自分の弱い性格を蹴散らすように強くなった。     今までの罪悪感のせいもあって、そんな表情されると僕はそれ以上の否定は出来なくなる。   そんな梓斗は頭を掻きながら口を尖らせて肯定の言葉を吐き出す。   「しょうがねえなぁ…分かった、頑張る。それなりに媚売ってくる」     「あ、そう?良かった。ちゃんと頑張って来てよ!じゃああの辺で待ってるから」     「あ…あぁ。」     でも律はどこか抜けていて。 切り替えの速さに拍子抜けさせられることもある。       ふと時計を見ると選考会開始時間か刻々と近づいていた。     会場に入れるのは選考会に参加する者のみ。     梓斗は少し背筋を伸ばして会場に入っていった。      
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