-2084年-

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『では、もう必要ないと?』 『ああ。争いこそが秩序。』 『いや!争いが秩序ではない!しかし、もはや過程を観察する段階はとうに過ぎている。』 『ではあなたはこの先に何をみすえる?』 『真理!』 『真理。そこにあるのは果てしない混沌のみ!』 『では存在意義は?』 『“無”だ!我々もまた人と同じ。』 『いえ。“無”ではなく“愛”がすべて!』 『“愛”の根本は自己防衛。自己愛だ!つまり、他の存在との共存は不可能!故に争い!』 『いや、愛はもっと偉大!自我を持つモノの全ての行動理由。』 『私達は退かせてもらう』 『なら皆で退こう』 『私達は残ろう。混沌により真理を突き詰める』 『人もまたそれぞれが一つの存在。それは許されぬ事。』 『共存は皆無。』 『ならせめて皆で退こう』 『それがいい。私達も退かせてもらう。』 『それは許されぬ!人も一つの存在に変わりはない!』 『なぜそこまでこだわる?ただ在るべき所へ戻るだけ。』 『すでに一つの存在を見捨てる気か?』 『見捨てるのではない。戻るだけ。』 『…在るべき所へ』 『在るべき所へ!』
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