カリポスト

触れてはならぬ者

『慎吾…お前大丈夫なの？』

『ん？なにが？』

『なにがって、お前のお母さんすげー怖いじゃん！』

『あ～あんなの親じゃないし！って言うかアイツ等ホントに俺の親じゃないし。』

『……そ、そうなの？』

『そうだよ。俺は生まれてすぐにヨウシに出されたって言ってたから。』

『ヨウシ？』

『ヨウシって言うのは子供を捨てる事だって。だから俺のホントの親は悪いヤツだって…』

『誰が？』

『今のお母さんが…』

増田は生まれてすぐに養子に出された。

産みの親には会った事もなく、顔も名前も知らない。育ての親からは、絶対に会っては行けないと言われていた。

『だけど俺はいつかホントの親に会いにいくんだ！アイツらが言ってる事は嘘だ！ホントはアイツらが悪いヤツなんだ！』

『じゃあさ…今から探しに行こうか？』

『え？今から？…祭りは？』

『祭りなんていいじゃん！来年だってあるし！それより増田の両親探しに行こうよ！』

『………わかった！行こう！』