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見ると、一人の女性が部屋の入り口に立っていた。 「真里さん。でもコイツ――」 文句を言おうとすると、翔太は僕の手を振りほどき、真里さんの後ろに隠れた。 この白いエプロンを着た女性の名前は夏川真里(なつかわ まり)。 年齢は不詳(前に尋ねたら、何日間か食事のおかずを抜きにされ、白御飯だけになった)である。 見た目は20代後半だが、実際はもっと上だろうと思う。 身長は160cmぐらい。 顔立ちは整っており、髪は腰まで伸びるストレートで、絹のように滑らかである。 かなりの美人だ。 そして、その足元にいる男の子は、草津翔太(くさつ しょうた)。 年齢は9歳。今年、小学四年生だ。 真里さんは、 「まぁまぁ、そんなに怒らないの。大人げないぞ?」 と穏やかに言う。 翔太が僕に向かって舌を出している。 くっそ、ムカつく……。
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