744人が本棚に入れています
本棚に追加
リビングに着くと、足に軽い衝撃が走った。
「英斗にぃ、おはよう」
そう言って、僕の足にしがみついているこの女の子は伊藤千菜(いとう ちな)。
年齢は7歳、今年で小学二年生だ。
僕は千菜を抱き抱えると、
「おはよう、千菜。お前はホントに可愛いな~。翔太とは大違いだ」
そう言って千菜に頬擦りしながら、翔太に嫌みったらしい視線を送る。
翔太は、ふんっとそっぽを向いた。
可愛くない奴。
千菜は、
「えへへっ」
と、嬉しそうに笑っている。
ホントに可愛い。
「おい、英斗。早くしろよ。飯が冷めるだろ」
不意に声をかけられた。
僕は千菜を床に降ろし、料理が並べてあるテーブルへ向かい、
「悪い悪い」
と言いながら、椅子に座った。
最初のコメントを投稿しよう!