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「やべえ、遅刻だ!」
今日は大切な、めちゃめちゃ大切な日なのに!
何で寝坊なんてしたんだよ!
僕は車で信号待ちをしながら、焦っていた。
あーもう、なんかこの信号長くないか?
早くしてくれー!
ーーーー
「遅いよ、英斗。何してたの?」
「竜。はあ、いや、はあ、ただの寝坊」
「はあ、まったく自分の結婚式に寝坊するって。まあ、英斗らしいけど」
あれから10年が経った。
そして今日は、僕の結婚式だ。
まさか僕にもこんな日が来るとはな。
何だか、感慨深いものがあるな
。
「英斗、おめでとう」
振り向くと、そこには真里さんが立っていた。
その周りには、翔太、啓吾、紗綺、千菜もいた。
全員で祝福してくれている。
因みに、啓吾と紗綺は結婚した。
そして、
「どかーん!」
「ぐふっ、鳩尾っ‥‥‥」
今僕に突撃してきたのが、その子供。
「良くやった、光(こう)」
「お前なあ、啓吾。そこは父親として叱れよ」
「えっ、何で?」
はあ、いつまで経ってもこの位置なのね、僕は。
「もう、二人とも英斗にぃに謝りなさい」
紗綺が二人を窘める。
すると二人は素直に謝ってきた。
二人ともどうやら紗綺には頭が上がらないようだ。
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