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桜の木々が、風に揺れ
さらさらとテニスコート一面に
白い花びらの春雪となって、舞い落ちる。
中学の卒業式
前日にダチに話しをつけ 彼女に告白する機会を取り付けた。
彼女は中学校1番の、アイドル的 存在。
俺には、眩しすぎる存在。
身長150センチの小さな
目のクリッとした漫画かなんかから飛び出して来た様な、天使みたいな子。
俺
「…世界で、1番きみが好きです」
心臓ドクドクと、口から出るかと思った。
手には、汗がべっとり…
前日から、何度も考えたセリフだった。
と、同時に彼女好みの車
両手くらいの真っ暗な大きいダイキャスト カー
赤いリボンを着けた箱を、彼女の目の前に差し出す。
彼女…「…。」
俺
「良かったら、貰ってくれ。車、好きって聞いたから」
彼女
「ありがと」
俺、その言葉と彼女の嬉しい笑顔がすごく観たかった
お互いに、左胸にある
ネーム交換をした
別れ際に握手した
すごく小さな手で、驚きと嬉しさが入り交じった。
彼女は桜がひらひらと舞うなか自転車で元気良く漕いで去って行った。
見送る俺…
彼女の自転車のカゴには飛び出したプレゼントがあった。
不釣り合いの、赤いリボンが恥ずかしそうに風になびいていた。
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