4190人が本棚に入れています
本棚に追加
「私、一ヶ月くらい、進路の事も、病気の事も、全然、考えて、なかったんだよ。
ずっと、ゆーちゃんの、事ばかり、考えてて……」
繋いだ手に力がこもっていた。
はるねぇの右手が、ゆっくりと俺の浴衣の端を握った。
「この前の、あの日から、ね。感触が、まだ、残ってるんだよ。……すごく、幸せな、感触」
「私、ほんと、駄目な、おねーちゃん、だから。
それだけで、もう、ゆーちゃんが、誰よりも、かっこよく、見えちゃうし、一緒にいると、ドキドキするし……。
夕御飯もね、ゆーちゃんが、好きなの、ばっかり、作りたく、なっちゃうし……。
これじゃ、いけないって、いつも、思ってて……。でも、どうにも、ならなくて……」
最初のコメントを投稿しよう!