22人が本棚に入れています
本棚に追加
学校に行く準備を済ませ、朝食を済ませた後玄関へ向かう
玄関には靴が四種類ある
一つはプライベート用のスニーカー
後の三つは沙月高校の制靴で
沙月高校の制靴はいろいろ種類があって気分に合わせて履き替えていいことになっている
ちなみに靴に限らず、制服のブレザーにも種類がある
ブレザーのネクタイや手に付けるリングの色が違うだけだけで
靴も紐の色が違うだけだけど
それでもこの制度は新鮮さを毎回与えてくれてる気がして、何気に気に入っている
今日の気分は何かそこまで良くなかったので、全て青を着用することにした
もちろん靴も青の紐
僕は玄関を出た
やっぱり風は吹いてなかった
「おかしい…」
学校の時間までまだ全然ある
だから時間は気にせず風を待とうと思い、少しの間玄関に立つことにした
…………
風は吹いてこない
この町で風が吹いてないなんて絶対おかしい
「やはり、風は止まりましたわね…」
!?
突然声が聞こえた
とても綺麗な高飛車そうな女の声だ
思わず体がビクンとはね上がる
「あら、もしかしてわたくしの声が聞こえまして?」
また同じ声が聞こえた
今度は流石にそこまで大袈裟に驚かない
「声は聞こえるよ。でもどこにいるの?」ちょっと怯えたような声で喋る
喋り方も男らしくないとよく言われる
「そう…あなたが…。下をご覧なさい」
言われて下を見る
僕より背が小さいのかなと考えたが何もいない
「いないよ?」
「よく見てご覧なさい」
次は地面近くを探す
喋る生物が人間以外にいるわけないことはわかっているけど、この時の僕にはそれがわからないくらい緊張していた
地面には芋虫がいるだけ
おかしなことに地面から浮いてる芋虫が!?
「やっとみつけましたわね」
「え!? い、い、いも、いもむしぃ!?」
「あら、この生物の名は芋虫というのですわね。変な名前だこと」
「!!?!?」
完全にパニック状態になる僕
「わたくしの名前はそんな名ではありませんわ。わたくしの名は…」
「クレイシア」
「異世界宝を守るガーディアンよ」
最初のコメントを投稿しよう!