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集合場所には既に、2~3人ぐらいの人が集まっていた。
(絢子や与一はまだ来てないみたいだな)
僕は、そんな事を考えながら来る途中で買ったコーヒーを飲んでいた。
何も起こらない、
起こるはずが無い、
そうだと良いと思う自分を少し情けなく思った。
絢子を助けたかったから、自分で着いていくと言ったのに、
何か起こるのが怖いと感じている。
(どうやって相手に説明しようか)
なんて事を考えていたら、誰かに話しかけられた。
「少年みたいな若い奴まで、当選したのか…、世も末だな」
「えっと、じゃああなたも?」
「あぁそうだが、少年はまたどぉして、バイトに募集を?」
そういうと、話しかけてきたオッサンはペンとメモ帳を取り出した。
(なんだこいつ?)
と、僕は思った。
顔に出したわけじゃない、なのにオッサンが一言、
「なんだこいつ、とか思ったろ」
「!!」
(なんで………)
「次は、(なんでわかったんだ)かな?ダメだよぉ~、おじさんといるときは余計なこと考えちゃ」
「なっ…なんでわかるんですか僕の考えてる事」
「おじさんねぇ、堪がいいのが取り柄だから。それより、質問してんだから答えてくれよ。なんで募集を?」
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