まさかの彼女は……

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 桜田高校は、男女共学の人気進学校。1つの学年に男女200名近く集まる。人気の理由は2つ。  1つは、偏差値が可もなく不可もなく(約55位)って事。大体中学で5教科の平均を70点取っていれば、問題無いレベルだ。  もう1つは……男子には関係無いが、女子の全国制服人気ランキングベスト10に入るって事。  男女共にブレザーでクリーム色の上着に、黒いズボンまたは赤のプリーツスカート。  可愛い制服を着たいと言う女子が大半を占めて倍率は驚異の3倍。  おかげ様で、男子よりも女子が少し多い気がする。……って言っても比率が男女で4:6位だけどもね。  そんな桜田高校に入学して1週間たったある日の事。次の授業が音楽と言うことで移動教室となった。 「おい智喜! 次の授業音楽だろ? 早く音楽室行こうぜ~」 「わかってるよトシ」  後ろから俺に話し掛けて来たこの赤茶髪のツンツン君は、入学して2日目で友人になった、同じクラスの前田俊哉(マエダトシヤ)。  邪心0の爽やかな笑顔に人懐っこい明るい性格のイケメン君。 「あっ……いっけねー。ロッカーから教科書取って来る」 「早くな! 後5分でチャイムなるぞ?」 「ういうい」  俺は教室のドアを開けて廊下に出たその時だった。 「はわわっ!」 「痛っ!」  廊下から歩いてきた女子にぶつかってしまった。俺の前方不注意だったのでこちらに責任がある。謝罪を込めて謝ろうとした時でした。 (なっ!? なんだこの美少女は!?)  見た瞬間、俺の体内で稲妻が鳴り響いた。  彼女は、黒髪で枝毛の無いサラサラなストレートロング。体型もスレンダーで胸の膨らみもある。一目見て、綺麗と感じる容姿……  赤縁眼鏡を着用して知的な感じも出ている……そして不覚にもパンツも見えてしまった。めちゃくちゃ可憐であったのだ! ……窓から見える桜にとてもマッチしている。  だが、ぶつかった時に眼鏡がズレて素顔がチラリと……。その素顔が堪らなく可愛かった。 「あの、ぶつかってすみません……大丈夫ですか?」 「お、俺は平気だよ……君は?」  俺は……この時生まれて初めて一目惚れと言うのを体験した。
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