7795人が本棚に入れています
本棚に追加
「全く……次から気をつけなさい」
「はい……すいませんっした」
必死に走って音楽の教室に向かったが……残念ながら授業に遅刻してしまった。担当の教師に注意を受けて、俺は席に向かう。
戻る最中、俺の頭の中は先程の美少女の事でいっぱいになっていた。
(てか、さっきの子可愛かったな……//)
これが恋って奴か……凄く苦しい。初体験っていうのもあるからかな。
「智喜? そんなにヤバいのか? 顔がニヤニヤしてるぞ」
後ろから再び俊哉が話し掛けてきた。普通は出席番号順だが、音楽の授業は好きな場所で受けて良い。
「トシ……俺、初恋かも。胸がバクバクしている。これが恋なんだよな」
「ふーん。普通なら好きになる位なら1つや2つは有ると思うんだけどな。……お前は純情君か!」
ぶっちゃけた話、俺は女の子に興味を持ったことが無い……。理由は特にない。
「うるせぇ。てかトシの力でなんとかならないか? 頼むよ~!」
「……ったく、わかったわかった。たしか隣は二組だよな……渉が居たっけ。後で、渉に調査依頼だすから」
「渉ってあの神崎渉か!?」
渉って言うのはトシの友達。本名は神崎渉(カンザキワタル)。顔がアイドル級の美形、更にスポーツ万能でチャラい……。
噂では、気に入った女は必ず自分の物にするとか。
良い噂は聞かない。いわゆる問題児ってレッテルを貼られている。
「大丈夫。アイツ良い奴だし」
「本当かよ……まじで頼んだぞ!」
携帯を弄りながらトシはシブシブと返事をする。
「へいへい。後で……ジュース一本だからな!」
「ありがとー! 流石イケメン! トシ様! 日本一!」
「おだでても変わらんぞ」
こうして……普段通りに音楽の授業が進んでいくのであった。
最初のコメントを投稿しよう!