まさかの彼女は……

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 脳内にて 脳A「信じられません……智喜の脳内妄想率が200……いや、400%を超えてます!」 脳B「やはり目覚めたのね……彼が」 「うっほおおおおお!!!」  妄想ばっかりしていたら、いつの間にか放課後になってました。  とりあえず、トシが全面協力してくれる事になりました。作戦会議の為に、昔から行きつけの喫茶店に行くことにした。  場所は学校から歩くこと約20分。人通りがそれほど多くないが洒落た感じ。  喫茶店のドアを開けるとベルの音が店内に響き渡った。 「らっしゃいー」 「ひっ!! ヤ、ヤクザ!?」  数秒後、店の奥からコワモテ風のオールバックのサングラス着用ヤクザがいました。  例えるならヒルクライムのアレ。隣のトシを見てみるとめちゃくちゃビビっている。 「誰がヤクザだ。何名様…って、なんだ智喜か。またジュース一杯で漫画読みに来たのか?」 「マスター! 久々!」  って言うのはジョークで、俺達を出向いてくれた怖モテのおっちゃんは岡崎新太郎(オカザキシンタロウ)って言う。  俺が、中学校の頃から常連になっている喫茶店のマスターだ。歳は30代のナイスミドル。 「なんや。本当に久々だな! まぁゆっくりしてきな~。いつもの席空いているからソコ座りな」  そう言うと、マスターはカウンターの奥に行ってしまった。  トシに聞くと、最初ヤクザ関連の方が出迎えて、裏方に連れていかれると思ったという……。 「ふぅ……驚いた。智喜! 本当に奢りか? 俺、腹ペコだからバンバン頼むぞ?」  ニコニコしながらメニューを見て問い掛けた。切り替え早いなぁコイツ。  苦笑いして財布を確認すると…… (げっ……財布の中身が……)  我ながらピンチな状況。考えてみたら……こいつ遠慮を知らなそうだな。 「えっと……すまん。予算厳しいから千円までな。小遣い貰って半月だから余裕がないんだ」 「そんな感じしたよ。マスター! 俺ナポリタンとコーラお願い~」 「じゃあ俺、ピザトーストとクリームソーダ!」  大きな声で叫ぶとマスターも奥から叫んでくれた。 「はいよ~。少し待ってな」
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