7795人が本棚に入れています
本棚に追加
ライブでは俺達が出せる全てを観客にぶつけた。音楽に魂が乗って伝わってくれると……一体感が生まれる。
時間にして約3時間のライブ。この瞬間だけだが、皆の心が1つになれた気がする。
アンコールまで頂いて本当に嬉しかった。最後までだれる事も無く、大成功の形で収める事が出来たのだ。
「いよっしゃぁ!! 最高のステージだったぜ。我ながら良い出来だった。流石俺!」
「まぁ、普段は褒めないけど……まぁまぁだったな」
ライブも大成功に終わり、満足な俺達。今日はこれでスケジュールおしまい。これから打ち上げに行くことになった。
行き先は勿論、長年御用達の俺達のたまり場。安くて美味しい昔からある喫茶店だ。
「何食べようかなぁ~ナポリタンにカルボナーラも捨て難い……ってあわわわわわ!」
茶髪が1番興奮して……はしゃぎ回っている。しまいには転ぶし25歳にもなって恥ずかしい。
「あははっ……トシくんそんなにはしゃぐと転んじゃいます……って遅かったですね」
「……バカな奴だよ。本当に」
女の子が注意したが、時既に遅し。見た目は大人になったけど……やっぱり中身はあの時と同じ。
初めて学校でチームを組んだ時と全く同じだった。
「居た居た! 智喜さん」
「はい?」
後ろから声をかけらる。この場に居るということは一般人では無く、業界人って事かな。
振り返って確認すると、どうやらディレクターさんの様だ。
「あの、月刊ミュージックの担当の新垣さんが打ち合わせ室に着ています。前にインタビューの件で伺ったはずと言っているので……ちょっと今でも良いですか?」
「あー……そうだった。皆、先行っててくれ。いつもの場所だろ?」
「もちろん! じゃあ待っているからな」
俺達はこの場で一時解散して、いつもの場所で再集合することにした。
最初のコメントを投稿しよう!